『ぬれ性・塗膜乾燥・付着はく離の基礎と産業応用 ~微小液滴の性質、液滴の生成、微小液滴のぬれ性、液滴の付着と拡張性、産業上の応用およびトラブル対策~』をテーマにセミナーを開催します

セミナーは終了しました

セミナー概要

日 時 2019年1月31日(木) 10:30~17:30
会 場 日本テクノセンター研修室
主 催 株式会社日本テクノセンター
講 師 河合 晃 教授

※詳細(申込み)は主催者ページをご覧ください。
https://www.j-techno.co.jp/seminar/seminar-25001/

セミナー内容

講師の言葉

コーティングおよび接着・はく離技術において、接触角やぬれ性現象などの基本ルールを理解することが必要です。本講座では、ぬれ・表面処理等に注目し、表面エネルギーを基本としたアプローチ、およびコーティングや接着はく離技術への応用について丁寧に講習します。また、生産現場から研究開発・トラブルフォローといった実務上での取り組み方について、実例を交えて解説します。初心者の方にも分かりやすく、基礎から学んでいただけます。日頃のトラブルおよび技術開発に対する相談も個別に対応します。

プログラム

1.微小液滴の性質
(1).表面張力と表面エネルギー(ベクトルとスカラー量)
(2).サイズ効果(接触角、粘性)
(3).気液界面(乾燥と対流)
(4).飛翔、噴射、跳躍(動的挙動)
(5).ピンニング(支配要因)

2.液滴の生成
(1).ジェット噴射(液滴生成)
(2).液滴凝縮(液滴成長)
(3).超音波噴霧(液滴細分化)
(4).液だれ(自由落下)

3.微小液滴のぬれ性
(1).ぬれ性の基礎(接触角とは)
(2).ぬれ性の基本式(Youngの式)
(3).表面粗さとぬれ性(Wenzelの式)
(4).複合材料のぬれ性(Cassieの式)
(5).ぬれ性の時間変化(Newmanの式)
(6).液滴成長の2つのモード(アイランド型と凝集型)
(7).液滴の乾燥と対流(ウォータマーク:乾燥痕)
(8).エネルギーとしての濡れ(接触角θよりもcosθ)
(9).ピンニング効果(ぬれ分布の抑制)
(10).時間濡れ(高速カメラ観察)
(11).動的濡れ性(前進、後退角)

4.液滴の付着と拡張性
(1).表面エネルギーの測定方法(分散、極性成分)
(2).付着エネルギーによる解析(Dupreの式)
(3).拡張エネルギーによる解析(Sパラメータ、円モデル)

5.塗布膜形成の基礎
(1).塗工液から塗布膜へ (液体から固体(膜)への変化とは)
(2).塗布膜の乾燥 (残留溶剤が膜の品質を決める)
(3).表面張力、粘性、溶解性パラメータ(濡れの基本パラメータ)
(4).ロールコーティングの基礎
(5).ダイ・コンマ・マイクログラビアコーティング
(6).スピン、スリット、ディップ
(7).スプレー、インクジェット、ナノ粒子ペースト

6.塗膜の乾燥メカニズムと高品質化
(1).濃度差拡散(塗膜内の溶剤移動を支配する)
(2).蒸気圧(乾燥を促進する環境設定)
(3).ラプラス力制御 (塗膜の凝集性の発現)
(4).乾燥装置の最適化の要因 (乾燥速度、乾燥限界とは)
(5).加熱乾燥、赤外線乾燥(比熱、熱容量、熱伝導)
(6).減圧乾燥による膜質改善(膜内応力の緩和)
(7).凍結乾燥と超臨界乾燥(状態図による乾燥制御)
(8).スピン乾燥の膜質制御(ナノクラスの膜内均一性)

7.塗膜の接着と剥離トラブル対策
(1).ピンホールの抑制方法(濡れ不良、拡張濡れ法)
(2).表面硬化層の形成過程 (塗膜内の凝集性分布)
(3).乾燥ムラの発生メカニズム (塗布膜の面内不均一)
(4).膜剥離の防止法 (ポップアップ・ガス発生)
(5).クラックの抑制 (応力ミスマッチ)
(6).クレイズの発生メカニズム (環境応力亀裂、溶液の浸透)
(7).フラクタル粘性指状(VF)変形とは(界面付着性の劣化)
(8).微粒子の乾燥メカニズム (ウォーターマークの形成)

8.質疑応答(日頃の技術相談)
開発・改良・現場トラブルにも個別に応じます